◎ホリスティック医学シンポジウム2015「平成医療維新 ~セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾!」報告

    ◎ホリスティック医学シンポジウム2015「平成医療維新 ~セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾!」報告

     11/15に、日本ホリスティック医学協会のシンポジウムが行われました。メインテーマは、今年の熱い実行委員長・川嶋朗氏の提唱による「平成医療維新」で、サブタイトルとして「セルフケアの時代へ「ホリスティックヘルス塾」開塾!」となっています。

     川嶋実行委員長の熱い思いは、「現在の日本の医療状況は限界に来ている、、。今こそ、平成の医療維新をするときである!」ということなのです!

     当日の内容は大変素晴らしかったので、地方の方や、都合の合わなかった方にもぜひ少しでもお伝えしたく、長いですが、奉公させていただきます。

    ○「気づく、わかる、守る ー人間の尊厳について」 帯津三敬病院名誉院長、日本ホリスティック医学協会名誉会長・帯津良一

     まず、最初は帯津先生の講演です。毎年、帯津先生の講演を楽しみに来られる方が少なくないのですが、今年もそのホリスティックな、幅広い思想・哲学を柱にウィット・ユーモアに富んだ素晴らしいご講演でした。

     先生は、最近、『緩和ケアの本質と実践 -気づく、わかる、守る』(ガイアブックス)というドイツの本の監修をされたそうで、そのタイトルから今年の講演のテーマをお決めになったそうです。

     講演では、例年のように、歴史上の思想・哲学の流れを踏まえて、ホリスティックな人間観・価値観を深めていく、とても私自身も好きで、楽しみにしている流れでした。

     19世紀に隆盛になってきた分析的科学・医学、そして、その象徴的な巨人のダーウィンの進化論に異を唱えたのが、ベルクソンであり、直観を形而上学の基盤に据えた上で生命を生命たらしめている内的な衝動力として「生命の躍動(エランヴィタル)」を提唱し、その著『創造的進化』でノーベル文学賞を受賞します。

     次いで、フーコーがその著『臨床医学の誕生』の中で、臨床医学に科学を持ち込んだのは失敗だったと慨嘆したそうです。医学は科学的であってもいいが、人間を相手にしている医療(臨床)は単なる科学になってはいけない、ということですね、、。

     そして、帯津先生の最近の境地は「攻めの養生」ですが、その推進力はベルクソンが提唱した「生命の躍動」である。そして、ベルクソンは、生命の躍動によって生命が溢れ出ると、私たちは「歓喜」に包まれると言っているそうです。
     
     しかし、ここがすごいところですが、「歓喜」というのはただの快楽ではなく、必ず創造を伴う、、そして、それは自己の力による自己の創造、すなわち「自己実現」であると言っているそうです。

     そして、このベルクソンに異を唱えた形になったのが、「ホーリズム」の提唱者であるもう一人の巨人スマッツだそうです。あまり知られていませんが、南アフリカの哲学者でもあり、政治家でもあった知られざる巨人であり、ホリスティックのルーツの人物です、、(念のため、スマップじゃないです、、)。

     スマッツは、ホーリズムは生命の躍動のようなあいまいなものではないと言い、あらゆるものは場でできており、「全体とは“場の営み”である」と説明しているそうです。

     ここにきて、「ホーリズム」と「場」がつながりました、、。帯津先生は「場の医学」とよく表現されます。私は、最近、量子論、量子力学に関心を強くしており、「(ゼロポイント)フィールド」という真空ともいわれる「場」に意識が向いていますので、ホーリズムと場がつながり、大変有益でした。

     帯津先生の講演は、昨年はシュレディンガーの量子力学の視点からの『生命とは何か』に言及されていましたし、毎年、思想・哲学的な根本を深めていただける素晴らしい講演です。

    ○「なぜ今、ホリスティック医学(統合医療)なのか?」 東京有明医療大学保健医療学部鍼灸学科教授・川嶋 朗

     次に、川嶋先生は、2014年には税収が42兆円であったのに対し、医療費が40兆円を超え、介護費も11兆円となり、医療関連支出だけで税収を上回っていることを指摘し、日本の医療の危機的状況を熱く訴えました。

     これは、西洋医学・現代医療および医療行政・医師会の問題も多く、メタボ検診をやれば医療費が抑制されるという触れ込みであったが、今のところ右肩上がりは改善されていないとのことです。

     また、海外では、西洋医学だけでなく、代替療法も合わせた統合医療の方向性を出しており、アメリカでは今までの「代替医療」センターという名称から「統合保健(健康)」センターへ変わり、「統合」という概念を公的に認めるようになっているとのことです。

     それに対して、日本では助産師が新生児のビタミンK不足に対してホメオパシーを投与したという事故に際して、日本学術会議の医学部門の当時の長たる人物から、たった1篇のランセットの論文からホメオパシーそのものを否定する見解を出すなどの愚行があり、熱い川嶋先生は質問状を出し、公開討論を呼びかけたそうです、、。熱いです、維新の志士です!(逃げて出てこないそうですが、、)

     一方、代替療法の側にも問題行動があるとのことです。病気をつくった生活習慣を見直すなどの努力をしないで、サプリで治せる、という安易な方法に走ったり、さらには“無効な代替療法”が横行している、、。

     こういう時代、状況である今の日本医療の危機的状況(幕末なら日本政治の危機的状況)を乗り越えるには、「病気にならないこと、予防、セルフケア」であり、一人一人の「主体性」であると提唱されました。

     そして、「5つの患者力」を紹介、、。

    1、知る力~からだ、病気、薬のことなどをきちんと知る

    2、見抜く力~対等に向かい合える医者をみつける

    3、自己決定力~医者任せにせず、主体的に選択、判断する

    4、自己治癒力~根本的に治すため生活習慣を変え、治癒力を上げる

    5、往生力~必ず死ぬわけなので、納得いく死に方をする

     そして、「平成医療維新」をめざすために、予防の意識の推進のために「ホリスティックヘルス塾」を活用することを推奨。ただし、この塾で「大儲けしないこと(普通の儲けは結構です)」という留意事項まで添えてくれました、、。素晴らしい、、。

     そして、そのためには、自分も「失業をめざす医師」になるつもりです、と! これは、武士の象徴の刀を捨てることを断行した「維新の志士」と同じ姿勢ですね、、。本当に私心のない、「武士に二言はない」潔い方です、、。

    ◎「在宅末期医療から見えてきた未来型医療」 船戸クリニック院長・船戸崇史 

     次に、長年にわたり、在宅医療、末期医療を行ってこられた岐阜県養老町の船戸クリニックの船戸先生による講演です。この養老町というのは、あの天下分け目の関ヶ原町のお隣にあるそうです(今度は、関ヶ原をモチーフに「天下分け目の日本医療」編を行いたいなぁなどと思いつきました、、)。

     船戸先生は、看取ってきた患者さんのメッセージから大きく7つに分類されることを紹介してくれました。

    1、生き様は死に様

    2、自分の命は自分だけの命ではない

    3、自分しか担えない使命がある

    4、にもかかわらず覚悟を持つ~人生は選択の連続である。選択するとき、常に他方を放棄するという「覚悟」と「托身」が必要である

    5、人生最後の言葉はある~「ごめんね」「ありがとう」「また逢おう」「愛してるよ」「さようなら」の5つである

    6、人はただ在るだけでも意味ある存在である~これは何か「すること(do)」より、「いること・存在(be)」が大事だという、ドゥービーブラザースの原理ですね、知ってますね、、

    7、病気にも意味がある

     そして、さらに「未来型医療」として、

    ①病気とは何かを再確認する~病気とは間違った生き方のお知らせである

    ②病気を克服する~ここは、先生は「治す」ではなく、「病気をとおして生き方を修正して本来の自分に生まれ変わる(Reborn)」ことを「克服する」とされています

    ③健康な死をめざす~生への執着がなく、死への恐怖もない「生と死を統合」した「健康な死」をめざすこと

     ここから、船戸先生は「統合医療(科学とCAMの積分)」と「宗教観(死生観)」を統合したのがホリスティック医療ではないか、と提唱されました。

    ◎「東日本大震災後の東北から吹く統合医療の風」 朴澤耳鼻咽喉科、統合メディカルセンターTree of Life院長・朴澤孝治

     仙台で、朴澤先生が思い切って開業されたのは、東日本大震災の1か月前の2011年2月だったそうです、、。ですので、先生の開業後の歩みは東日本大震災とともにあったわけです、、。

     紹介された3例のいろいろな状況の患者さんから、先生は「それぞれのホリスティックな健康観があるのだ」と気づき、ひとつにまとめたり、こちらから一定のホリスティック観にあてはめるのではなく、ホリスティックに目覚めるお手伝いをするのだと感じたそうです、、。

     そして、この3例の患者さんたちにどのような治療の方向性を出したか、という流れがとても勉強になり、よい示唆になっていましたので、ご紹介します。

     ホリスティック医学では、基本的にbody-mind-spiritの3つの視点で患者さん、病気をみていきますが、朴澤先生は、この3つが
    「正三角形」の人もいるが、多くの方はいびつな三角形になっていると気づいたわけです。

    ・霊感の強いタイプの患者さん
     多くの霊を見、感じ、様々な思いに押しつぶされるように体調を崩されていたため、出羽三山の湯殿山の山伏さんに紹介し、除霊してもらったところ、霊的なことに振り回されないようになった例。
     この例は、spiritが大きくなった三角形ということですね。

    ・不安感が強く続き、エネルギーが枯渇気味だった患者さん
     まずは、「対症療法」的な不安のレメディを投与し、次にエネルギーの枯渇を潤すためにレイキを紹介し、補ったところで養生法であるヨガ・呼吸法を導入し、最後に根本的な「体質改善レメディ」を投与して改善した例
     この例は、mindとbodyの二つが大きくなった三角形といえるのだと思います。

    ・ひどいめまいが続いていた患者さん
     この方には、通常のリハビリをしっかり行ってもらったところ、今では生活に支障なく過ごせるようになった例(現代医療だけで治癒していった例)
     この例は、bodyの原因が大きくなっていたケースとなるのでしょう。

     このように、その患者さんに必要なことを全体的な広い視点で行っていくのが、本当の医療であり、ホリスティックな医療であることを再確認しました。

     また、朴澤先生は、現代医療、医療行政の中にも希望、光がさしている面もあることを紹介してくれました。

    ①スマートライフプロジェクト~このプロジェクトの中心の理念は「健康寿命を延ばしましょう」となっていて、今までの単なる延命医療の姿勢とは違っている

    ②ストレスチェック義務化~今年の12月(もう来月ですね)から始まりますが、これは今までのエビデンスを重視したEBMから、労働者の声を聴くというNBM(ナラティブな姿勢)が導入されている(このチェックにはいろいろ批判もありますが、私も批判するだけでなく、できるだけ有効に活用する姿勢が望ましいと思っています)

    ◎「心と病気の関係 ~心の治癒力を引き出す」 NPO法人サイモントン療法協会副理事長・川畑のぶこ

     川畑氏は、がんのイメージ療法というイメージで知られる(というのは、サイモントン療法はイメージ療法も用いますが、もっと全体的(ホリスティック)な心理療法なので)サイモントン療法の立場からのレクチャーでした。

     サイモントンとは、アメリカの医師の名前ですが、このサイモントン博士がまず大事にしたポイントは「病気は攻撃者ではない」ということ、、。

     サイモントン博士が言うのは「生きる目的は幸福を体験すること」、、「幸福」とはただの快楽ではなく、喜び、やすらぎのこと、、。

     そして、さらに「日常の苦しみや痛みから離れなさい、もっと自分にやさしくなって下さい」というアドバイスするのが常だった(残念ながら数年前に亡くなっておられます)そうです。

     そして、病気はフィードバック・気づきとしては、否定的・無意識的なフィードバックであり、いわば不健全な「補償機能」である。そのことを学ぶ機会である、、。

     このことを学ぶのに、Maxie Maultsbyによる「健全思考」と「不健全思考」が紹介されました。

    「何をやっても無駄だ」という不健全思考から「できることはある」という健全思考に向かうための指標として、

    1、その考えは事実か?

    2、その考えは健康に役立つものか?

    3、その考えは目標の達成に役立つものか?

    4、その考えは悩み、困難を解決するのに役立つか?

    5、その考えは望ましい気分になるか?

     そして、サイモントン療法の重要な内容として「瞑想」が含まれています。瞑想は、今ではティック・ナット・ハン師やマインドフルネス瞑想などで日本でも知られるようになってきました。

     そして、がんをはじめとする病気をどう考えるか、についてのサイモントン博士の見解は「病気は自分の本性に戻るためのメッセージ」(ここでは「本性」を(ほんしょう)ではなく、(ほんせい)と読みたいですね、、)ということです。

    ◎「意識の変容が自然治癒の鍵」 寺山心一翁オフィス代表/ホリスティック経営コンサルタント・寺山心一翁

     寺山氏はがんの体験患者の立場からのレクチャーです。そして、レクチャーのキーワードは「意識」です、、。

     まず、レクチャーの前に、ここまでレクチャーが続いたので、持参された「チェロ」でリラクセーションの場を提供してくれました。、、日本の子守唄の癒しのメロディーでした、、。

     まず、病院、西洋医学の問題、限界を感じたことから始まったそうですが、次第に「施療者は治せない。しかし、治る援助をしてくれる」という意識になったそうです。

     そして、自然治癒力を認めることができると、意識が高まっていく、、。そして、自分が治っていくことを感じることができる、、。そして、治っていくことを感じることが、自然治癒力を増す「鍵」となる、とのことです。

     この変遷は、言い換えると、「意識の変容」ということですが、この感じたり、第6感で気づいたりする「意識の変容」は客観的に表すことが難しく、科学を超えたものとのことです。

     そして、寺山氏は、「感」という文字のついた言葉を大事にされているとのことで、まずは「感心」、そして、「感動」に、さらには「感激」へ、そして「感謝」に至ると、意識が高まっている、、。

     そして、フィンドホーンというスコットランドのヒーリングセンターの国際会議で、Sahtourisという博士の「ホリスティック」の解釈を紹介してくれました。

     まずは、holos(全体)という言葉の第1義は、holy(聖なるもの)であるということ、、。

    そして、ホリスティックには、
    1、holistic
    2、wholistic
    の二つがある、、。

     そして、自然治癒力を発動させるためには、意識の面からholos本来の意義に立ち戻り、一人ひとりが聖なる存在であることを再度、認識すること、、。

     そして、最後は、再びチェロの癒しを披露してくれました。楽曲は、スペインのカザルスの名曲「鳥の歌」です、、!

     講演者の方々のレクチャーは、どれも皆、医療維新をめざす志士たちの「志」のこもった素晴らしい質の内容でした。近年でも最高レベルの内容でした。

    ◎パネルディスカッション「平成医療維新 ~医療版松下村塾」

     さて、最後のパネルは、今回のテーマが「医療維新」ですので、維新の志士たちの精神的支柱をつくった吉田松陰の松下村塾にちなんで「医療版・松下村塾」の様相に、、。

     まずは、各パネリストがお好きな「幕末・維新」に関する人物を選んでいただきました、、。

    ・寺山氏~「ペリー」とのこと!! 理由は、「黒船来航」が歴史を変えたから! 「黒船に白髭」だそうです!?

    ・川畑氏~紅1点の川畑氏が選んだのは「新島八重」、、。幾松や篤姫、お龍もいるのに、今度は幕府側、、! 理由は、綾瀬はるかになりたいわけではない、ことは確認しました、、。

    ・朴澤氏~来ました、「坂本竜馬」とのことです! ようやく「維新の志士」が来ました、、。実は、抄録では川嶋先生が竜馬役になっていたのですが、、。バッティングです、、。

    ・船戸氏~「土方歳三」です。またまた、幕府側、、! しかし、船戸氏は、幕府側がいいのではなく、男、武士・土方歳三の生き方が好き、そして、イケメンだからだそうです、、

    ・川嶋氏~竜馬をとられた川嶋氏は、江戸の医療維新を「適塾」で起こした「緒方洪庵」へ! やさしい実行委員長でよかったです、、。

    ・降矢~私は、言うまでもなく「松下村塾」塾頭の伊勢谷友介ですよ、そうです、吉田松陰です! 似ているかどうかじゃないです、立場ですので、、。

     熱い志士たちの話はさらに広がっていきますが、やはり江戸を「無血開城」に導いた立役者の西郷隆盛と勝海舟が欲しい、、。

     やはり、西郷隆盛が、不満分子の武士たちを引き受けて西南戦争を戦ってくれたおかげで、明治維新が成し遂げられたわけです、、。

     現代医療がホリスティック医学の方向に変わったとき、旧態依然とした意識にとどまっている不満「医師」たちを引き受けてくれる西郷役は、最後に船戸先生に、、(船戸先生は楽屋で最後まで、土方歳三とどっちにするか迷っていたので、、)。

     そして、やはり、維新を成し遂げるには、幕府側の革新的人間である勝海舟が、現代医療側にも欲しいところですね、、。それは、やはり「べらんめえ」口調が同じの川嶋実行委員長にお願いをさせていただき、終了となりました。

     進行役の私にとっては、「医療維新」と「明治維新」の二つのテーマで、とても楽しめました、、! 皆さんは、ついてこれたのでしょうか、、!?
     
     最後に報告ですが、このたび、帯津先生の後を受けまして、日本ホリスティック医学協会の会長を仰せつかることになりました、、。浅学菲才の身ですので、皆様のご支援、ご協力を心よりお願い申し上げます。 
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    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-11-26(Thu) 17:33:07】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

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