「新しいアレルギー療法」とは ~NHKスペシャルから


    ◎NHKスペシャル「新アレルギー療法」(再放送:4月14日深夜0:10~)から

     NHKでアレルギーで悩む方には気になる番組が放映されました。私は幸い、花粉症はないのですが、困っている方も多くいらっしゃるので、注目の内容かと思います。

    ・最大のポイントは、新しい免疫細胞である「Tレグ」です。
     →ずいぶんと「今風」の略語ですよね。正確には「制御性T細胞:regulartoy T cell、Treg)というそうです。

    ・今までは、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞(抑制性T細胞~これが今回のTレグと言葉上は似ていますね)、キラーT細胞などが知られていました。

     →そこに、20年前に、日本の坂口文志博士(現在、大阪大学教授。発見時は京都大学にいらっしゃったようです)が、新しくこのTレグを発見したそうです。

    ・まず、映像で出たのは、アレルギーの患者が少ない(花粉症は20分の1、アトピーは10分の1とのこと)アメリカのアーミッシュの人たちでした。この方たちは、ヨーロッパから移住してきた当時の生活を今でも守っており、何がよいのかをルポしていました。

     →ミュンヘン大学のムティウス教授らは、アーミッシュが「家畜と触れ合う習慣」があることが重要であることを説明していました。

     →家畜が持っている細菌にさらされることで、Tレグが増える、そして、それは「3歳までの小さい頃」に触れていることがポイントだそうです。

     →ここから、「きれいすぎる」社会になった1960年代からアレルギーが増えた事実と一致する、とのことでした。

    ・次に「予防」の観点での説明がされました。

     →アメリカのアレルギー学会は、以前は(2000年当時)アレルギーの原因になる食品を3歳ごろまで避けるべきとの指針を出しましたが、3歳を過ぎて食べだしたときにはやはりアレルギーになる、という事実が判明し、意味がないことが分かりました。

     →そこで、ロンドン大学のラック教授は、6~11か月の赤ちゃんに離乳食の開始時に、
    ○少しずつピーナッツを食べ続けさせたグループ
    ○ピーナッツを避けたグループ
    に分けて、5歳になったときのアレルギーの発症率を比較しました。

     →何と、
    ○少しずつピーナッツを食べ続けさせたグループ 3,2%
    ○ピーナッツを避けたグループ 17,3%
    という結果になり、少しずつ食べさせたほうが「予防」になることが判明したのです。

     →何故なのか? NHKスペシャルはここに迫ってくれるので、嬉しいです。
     腸で、食物のタンパク質が「定期的に触れる」ことで、この食品のタンパク質に対して「異物」として反応するのを抑制するTレグが徐々に作られるようになるためだそうです。

     →すごいことに、「それぞれの食品ごとに」ちゃんとこのTレグが作られるのだそうです、、。これはすごい話ですよね! 何千という食品のタンパクに対して、きちんと体はそれに合ったTレグを作るのだそうです。

    ・そして、さらにイギリスでの先ほどのラック教授の研究が素晴らしかったです。

     →イギリスでは、乳児のときに湿疹が起こると、ピーナッツが入っているベビーオイルを勧めた時期があったそうで、食品アレルギーの患者の多くがそのオイルを塗っていたそうです(何と91%の率だった)。

     →先ほどは、乳児が離乳食の頃に、ピーナッツを徐々に食べることがむしろ予防になったという結果が出ていましたので、乳児のときにピーナッツ入りのオイルを塗って徐々に摂取していることは、一見良さそうです、、。

     →ここも、しっかり説明してくれていました。さすがですね、、。
     食品が入ってくる「腸」は異物が入ってくることが多い臓器なので、Tレグが最初から多いそうです。
     一方、皮膚はもともとは角化や酸性のバリアがしっかりあり、外界のタンパク質が入ってくる想定になっていないため、Tレグも少ないそうです。

     →そして、「湿疹」という状態が問題だったのです。
     湿疹になると、皮膚のバリアが壊れてしまうので、異物が皮膚から侵入してくるため、少ない免疫細胞が通常以上に頑張り(映像では腸の免疫細胞に比べて、皮膚の免疫細胞は皮膚表面まで長く手を伸ばしたようにして、すぐに異物をつかまえて「皮膚内に引っ張り込んで」いました、、。すごい状況でした、、)

     →そして、この異物の情報を担当の免疫細胞に伝えて免疫反応が起こるようになるわけですが、皮膚には免疫反応を制御するTレグが少ないため免疫反応を抑えられず、アレルギーとなってしまう、とのことです。

     →ですので、もともと異物が侵入することが少ない部位が障害されると(皮膚~湿疹、気道~カゼなど)、免疫反応が抑えられなくなり、アレルギーになるとのことで、「湿疹やカゼは軽いうちにしっかり治すこと」が重要!とのことでした。

    ・そして、気になる「治療」について

     →今でも行われているのが「舌下免疫療法」という、Tレグを応用した治療は行われていますが、奏効率が70%で、30%は効かない状況です。

     →そういう方は残念ながら、やはりTレグが増えていないそうです。

     →そして、最近、注目されているのが「Tレグを増やす処理をした特別なお米」を食べるという治療が開発されているそうです。しかも、1日1食食べ続けるだけでよいので、量的にも誰でもできます。

     →結果がかなりすごかったです。「全員」がTレグが増えており、さらには、攻撃細胞のような指標のほうは50%になるそうです(映像に出た女性は、何と4分の1に減少し、花粉症の時期の花見を「マスクなし」で楽しんでいました!!)

    ・最後に、すでに食物アレルギーの人は、「予防法」で出てきた、少ない量を食べるという方法はアナフラキシーショックを起こしかねないですので、アレルギーではない小さいお子さんのための方法であることを、間違えないように!、ということです。

     以上、とても興味深いものでした。「米」が治療になっている、というのが日本人にとってとても良い感じでした、、。
     如何に、Tレグを増やすか、ということが治療の基本になる時代になってきたようです。

     「きれいすぎる社会(現代社会)」はやはり不自然なのでしょう。また、アーミッシュのように、家畜のような動物との「適切な触れ合い(同じスプーンでワンちゃんと一緒にご飯を食べるのとは違うはずですが)」がよい、など、最先端医療で分かることから、日々の暮らし方が見えてくることも「ホリスティック」な視点だと思います。
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    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-04-18(Sat) 07:58:16】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

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