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    ◎「インテグラル(統合)理論 実践編 ~シャドー(影)編・統合編」報告

    ◎「インテグラル(統合)理論 実践編 ~シャドー編・統合編」報告(いつもと同じく長いです、、)

     日本ホリスティック医学協会関東フォーラムでは、6月20日(土)に、ホリスティックな広い視点で世界を認識し、統合された人間への成長の指針となる「インテグラル(統合)理論」の実践編として、前回の「ボディ編、スピリット編」に続いて、「シャドー(影)編」と「統合編」を行いました。

    ○「シャドー編 岸原雅千子(アルケミア代表、臨床心理士、日本ホリスティック医学協会事務局長)、鈴木規夫(インテグラルジャパン代表)」

     ケン・ウィルバーは「インテグラルライフ・プラクティス」として、“ボディーマインドースピリットーシャドー”の4つのファクターを挙げて、これら4つのすべてを視野に入れて、実践をすることを勧めています。

     しかし、この4つの中で、この「シャドー(影)」というファクターは、心理専門の人にはわかりやすいものの、一般人にはつかみずらい傾向がありますので、今回の講座は要望の多かった内容といえます。

     まず、「シャドー(影)」とは何か?について、岸原氏は、
    ・私たちのこころの「一部」であるにもかかわらず、切り離され分離されたもの
    ・そして、もとは自分のこころの一部であったのに、排除され、拒絶され、抑圧・隠蔽され、「自分ではない」とされたもの
    ・さらには、もともと自分のものであったが、今や“自分ではないもの(他者や症状など)”として現れる
     と説明してくれました。

     この最後に挙げられている、「今や“自分ではないもの(他者や症状など)”として現れる」というところが、大変重要であり、かつ、それゆえ一般の方には気がつきにくいものといえます。

     そして、ケン・ウィルバーは、なぜ統合のためにシャドーに注目するのかについて、「健全な超越、全体性のためには、「影」を切り離し、あるいは外部に投げかけるのではなく、“自分のものとして所有”したあと、“手放し、脱同一化する”こと」といっています。

     ここで、重要なのは、切り離されてしまったシャドーを、もう一度「自分のものとして取戻す」こと、そして、「そのままにする(無視したり抑圧するのではなく)のではなく」、「このシャドーと同一化せずきちんと手放す(何らかの対応をする)こと」です。

     また、「シャドー(影)」という表現ですと、「明るくはなく、目立たない」という程度の感じで、それほど問題と感じられない雰囲気ですが、実は、シャドーはシャドーのままでいるわけではなく、往々にして「ダークサイド(闇)」になってしまう傾向があるのが問題となります。

     ここは、岸原氏は、スターウォーズのダースベイダーを例にあげて説明されていましたが、本当に、このスターウォーズは人間の成長、心について学ぶのに最適な題材になっています。なぜ、ダースベイダーが生まれたのか?、、これは、シャドー(影)とダークサイド(闇)を学ぶのにうってつけなのです、、。

    「私は怒っている」という思いは~「人には優しく/攻撃性は悪/喧嘩が嫌い」という考え方と合わない
    →「怒り」は私から排除(抑圧・分離)される~「怒っているのは私ではない」と思うようになる
    →「妻(夫)が怒っている」「上司が(怒っていて)にどなる」になる~「怒り」の存在すら自分からは切り離される
    →「職場でいつもプレッシャーを感じる」とか「胃(おなか)が痛い」という不安や症状へ~「社会」や「症状」に変わってしまった
     といったように変化してしまうので、気がつきにくいのです。

     このように、シャドーが「自分」(1人称)から離れて「他人」(2人称)に、そして、さらにはもっと遠くの「社会や症状」(3人称)に行ってしまう傾向があることを、ケン・ウィルバーは「1→2→3」のプロセスといっています。

     このようなシャドーに振り回されないように、瞑想とか座禅のようなスピリチュアルな修行があるのではないか? 「シャドー」に対処するためには、「スピリット」の領域をしっかり行うことで大丈夫なのではないか? という質問がよく聞かれます。

     しかし、実は、瞑想者やスピリチュアルな師たちは「シャドーの概念を持たず、シャドーを追い払ってしまう」傾向があり、シャドーにきちんと対応できていないことが多いことが指摘されています。

     つまり、スピリチュアルな領域をいくら行っても、シャドーの問題は残ったままになってしまう、ということです、、! ここが一般的には、意外に思われる傾向があるようですが、とても重要なところとなりますね!

     そして、ウィルバーは、シャドーと取り組むためには、現れ方が「1→2→3」と変わっていくことから、これを踏まえて逆に「3→2→1」の順番で対処していくことを勧めています。

     つまり、シャドーの現れ方が下記のように、
    1.私は怒っている(1人称)
    2.「夫(妻)」が怒っている(2人称)
    3.夜、夢の中で「怪物」に襲われる(症状~3人称)
    と変わっていくので、

     シャドーに取り組み際にも、逆に、
    3.「怪物」と取り組む
    2.「怪物」を「あなた」として対話する
    1.「怪物」を「私」に統合する
    というように、「3→2→1」の順番で行うのです。

     これは、先ほどから言われているように、シャドーは中々自分で直接には気づきにくいわけですので、症状(夢の内容にもよく現れますよね)にまず注目して、次に、その症状(怪物)と対話して、最終的に自分に統合する、というステップで行うわけです。

     そして、最後に、「シャドーとのワーク」を行っていただきました。取り組むテーマとして、次のようなものが適しているとのことのことでした。
    ①煩わしい(嫌いな)人
    ②夢で現れた「怪物(追いかけられた動物など)」
    ③自分を悩ませる身体症状

     私は取り組む際に、②と③は夢と症状であり3人称の内容ですが、①は「人」なので2人称的になっていますので、できるだけ自分(1人称)に近い①の2人称に取り組んでみました。

     やり方は、紙の真ん中に線を引き、左半分は「自分」、右半分は「煩わしい人」として、対話していく、というものです。気づいたことは、事実や理論的な問題もあるとしても、合わせて感情的な問題もあるものだ、ということです、、。

     インテグラルライフ・プラクティスは、自分で取り組むのが基本になっていますので、「自分でシャドーに取り組む」ために、ウィルバーは「日記」と「夢」を挙げていましたが、そのポイントを教えて下さい、という質問をさせていただきました。

     「日記」といっても、ただ「何処に行った」などの程度のものでは意味がないですし、日記をとおして自分でシャドーに取り組むための指針があれば、、ということでお聞きしました。

     コメンテーターの鈴木規夫さんから「実は、日記でシャドーに向かい合うことのできるのは、ある程度「認知」機能のレベルが高い状態になっている人でないとできない」とのことでした。

     そして、「ウィルバーの本や内容を求める人は、ある程度の認知レベル以上の人たちなので大丈夫だけれども、一般の人たちに対しては、本だけでなく、今日のようなレクチャーやワークで補充する必要があるでしょう」ということでした。

     専門的にいうと「合理性段階」以上の状態の人ということで、この発達段階についてもインテグラル理論には含まれているのが実は魅了なのです!

     そして、大事なことは「スピリット領域の瞑想や座禅をいくらしても、シャドーワークをしなければ、シャドーは積み残されてしまう」ということが印象に残りました、、!

    ○「統合編 鈴木規夫(インテグラルジャパン代表)、安珠(earth spiral主宰、ボディワーカー、日本ホリスティック医学協会運営委員)」

     「ボディーマインドースピリットーシャドー」の4つの領域に取り組む際には、この4つがバラバラになされるのではなく、「統合」することが重要です。

     そして、まずは自分で取り組むわけですが、私たちは、他人や社会(コミュニティ)との関わりの影響の中で生きていきますので、「他人や社会との統合」という視点も必要になります、、。そういう意味で、最後のテーマは「統合編」です。

    1.「インテグラルライフ・プラクティス -統合編」 鈴木規夫

     まずは、鈴木規夫さんから、「統合的実践のポイント」についてのレクチャーをしていただきました。

     まず、「統合的実践の条件」として、
    ・Body(体)
    ・Mind/Heart(心)
    ・Soul/Spirit(魂)
    ・Shadow(影)
    の4つすべてに取り組むこと。

     そして、この4つに取り組む際に、「違う領域に取り組むことによって、それぞれの領域に影響が起こってきて、それぞれの領域の発達が加速される」という「Cross Trainingの法則」を活用するとよい。

     また、統合的実践のポイントとして、以下も挙げられました。
    ・自己責任で実践すること(師にすべてを委ねない(外注しない)、適宜修正を加えて実践すること)
    ・習慣性を確立すること(とりあえず3か月は実践してみる、最低限の時間を確保する)
    ・関係性の中で実践すること(完全な孤独の中で行わない、他人の目も必要)
    ・対極性を意識すること(幅をもつ、ダイナミズムをもつ、変化をつける)
    ・上下動を受容すること(日によって上下がある、昨日できたことが必ずしも今日できるわけではない)
    ・急いで成長しようとしないこと(早いこと、高いことだけがよいのではない)
    ・異なる種類の実践に取り組むこと(自分(1人称)、顔の見える相手(2人称)、社会・コミュニティ(3人称))

     次に、「共同体(コミュニティ)」での実践のポイントが紹介されました。

     まず、その「共同体の状態」の見分けが必要とのことで、
    ・open~その共同体が変化の可能性にたいして開かれている
    ・arrested~変化の可能性にたいして開かれているが、何等かの阻害要因が働いている
    ・closed~変化の可能性にたいして閉ざされている

     また、「成長」には多様な種類があることに留意することが重要とのことです。
    ・垂直的成長~これは、分かりやすいですね
    ・水平的成長~成長には、必ずしもレベル(垂直)なものだけではない(次の高次の構造をつくるために、基礎を再強化するすべき時期(水平)もある)
    ・垂直的退行~ときには、成長をしないことも必要なときもある(あえて時代に乗り遅れることを選択する)

     特に、コミュニティでの実践では、必ずしも「成長=善」「退行=悪」とはいえないことに留意することが重要とのことです。

     鈴木規夫氏によって「統合的実践」の個人レベルとコミュニティレベルの留意点を確認していただいてから、その実践の報告を安珠さんからしていただきました。

    2、「ホリスティック・ライフスタイルとコミュニティづくりの実践」 安珠

     安珠さんは、ホリスティックな視点からのライフスタイルを実践していく際に、中心的な理念として以下の3つがあるとのことです。

    ①エコリテラシー
     エコリテラシーとは、地球環境や生態系を理解する能力と、それにしたがって行動し生きる能力のことをいう。「人間は地球の中でいかに責任を持って生きることができるのか」を学ぶことがエコリテラシー教育の目標

     そして、「生態系の原則」として、
    ・生態系は廃棄物をつくらない。ある生物の排泄物は、ある生物の食物となる
    ・物質循環は生命網の中を循環し続ける
    ・生態系のエネルギー循環の源は太陽である
    ・多様性は活力、回復力を保証する
    ・太古に始まった生命の連鎖は、戦いではなく、協調、協働、つながりによって維持されなければならない
    があり、示唆に富むものがあります。

    ②ナチュラルステップ
     スウェーデンの医師カール・へンリクにより提唱された持続可能なシステム条件と行動のフレームワーク
    1、自然の中で地殻から掘り出した物質の濃度が増え続けない
    2、自然の中で人間社会が作り出した物質の濃度が増え続けない
    3、自然が物理的な方法で劣化しない
    4、人々が自らの基本ニーズをみたそうとする行動を妨げる状況を作りだしてはならない

    ③パーマカルチャー
     「パーマカルチャーの倫理」として、
    1、地球に対する配慮
    2、人に対する配慮
    3、余剰物の分配

     「パーマカルチャーのデザインの原理原則」として、
    1、つながりのある配置
    2、多機能性
    3、多くの要素による重要機能の維持
    4、効率的なエネルギープランニング
    5、生物資源の利用
    6、エネルギーの循環
    7、小規模集約システム
    8、自然遷移の加速
    9、接縁(エッジ)効果
    10、多様性

     また、「パーマカルチャーのデザインプロセス」として、
    1、コンセプトデザイン・・・ビジョン、目標設定
    2、ストラテジーデザイン・・・資源と問題点の抽出と問題点解決のための戦略
    3、システムデザイン・・・栄養、水、エネルギーが循環するシステムをつくる
    4、ランドスケープデザイン・・・配置を考える
    5、アイテムデザイン・・・各要素の具体的なデザイン

     以上のコアを持って、安珠さんは「持続可能な地域(コミュニティ)づくり」の活動として、次の2つに関心をもったそうです。

    1、エコビレッジ
    ・50名~2000名の小さなコミュニティ
    ・明確なGlue(グルー、糊)がある。*コミュニティを一つにするための共通のゴール
     
     しかし、安珠さんは、家族や住んでいる地域の人との関係を絶つことはしたくなかったため、エコビレッジには取り組むのはやめて、次の「トランジションタウン」に取り組んだとのことです。

    2、トランジションタウン
    ・問題意識:気候変動とピークオイル
    ・持続可能でレジリエンスの高い地域づくり
    ・英国のトットネスから始まり、世界に広がっている

     そして、このトランジションタウンの活動では、以下のようなステップがあるそうです。
    1.コア・グループを結成しよう~問題意識を共有できる人が3人いればOK
    2.問題意識を共有しよう~気候変動、持続可能な社会づくりに関連する映画の上映会や勉強会など
    3.他団体との連携をしよう
    4.大々的にお披露目をしよう
    5.ワーキンググループを結成しよう
    6.創造的なミーティングを開く(ワールドカフェなど)
    7.目に見える実例をつくる
    8.基本的な技能の再習得
    9.行政と良い関係をつくる
    10.お年寄りから学ぶ
    11.流れに任せる
    12.エネルギー消費削減行動計画をつくる

     そして、いよいよコミュニティでの実践をまずは、「相模湖」で始めたそうです。

    ・相模湖での実践
     相模湖や藤野などの地域は、都心部で意識をもった人々が移住している地域なので、土地の農家の方々と最初はギクシャクした面はあったものの、スムーズにできていったそうです。

     小グループ活動であるワーキンググループでは、「心と魂のワーキンググループ」という名の活動もできるなど、かなり充実感があったそうです。

     それでも、ときには問題がおこることもあったそうですが、その際にも近隣にプロセスワークの専門家が居住しており、ファシリテートを依頼できて学びになるなどの流れもできたそうです。

     そんな中、いよいよ福島県裏磐梯に移住が決まったそうです。

    ・裏磐梯での実践

     相模湖でのコミュニティの成功体験を携えて、裏磐梯でもトランジションタウンの実践に希望をもって移住してみて、まず「地域性の違い」にぶち当たったそうです。

     裏磐梯では「仕事があるかどうか」が最大の関心事の地域であり、かつ交流とは「飲みゅニケーション」であったそうです、、。

     相模湖と同じやり方では通じないと分かった頃に、311が起こり、状況は激変することに、、。

     一旦、コミュニティは置いておいて、「311後の葛藤解決の対話」に視点を移すことになり、それによって地域の人との交流がなされ、飯館村の人たちとの交流にもつながったそうです。

     その状況が4年続いているとのことで、裏磐梯地域でのコミュニティづくりは、相模湖とはかなり違った様相であるとのことです。

     安珠さんからは、
    ・個人レベルの統合として、エコリテラシー、ナチュラルステップ、パーマカルチャーの3つを土台にした実践の統合の取り組み
    ・コミュニティレベルの統合として、トランジションタウンを土台にした相模湖と裏磐梯での取り組み
    の両方の体験を提示していただき、多くの学びがありました。

     コメンテーターの鈴木さんから、
    ・パーマカルチャーの視点は、インテグラル理論の視点からは、かなりレベルが高い視点だといえる(合理性段階以上にいたっている)
    ・安珠さんが、裏磐梯へ、個人レベルではパーマカルチャーの実践として移住しながら、放射能汚染により崩壊したことにより、自分を再統合してきたプロセスの大変さ
    が指摘されました。

     また、コミュニティレベルではトランジションタウンの視点をもって希望をもって移住したところ、地域性の壁にぶつかりながらも徐々に交流を深めていらっしゃる実践に敬意を表したいと改めて感じました、、。

     さらに、今後は、インテグラル理論の智慧をコミュニティにおいて活かしていただけることを祈念したいと思います。
     
     「インテグラル(統合)理論」 -日本では、あまり知られていない状況ですが、もっと深めてみたいと認識した次第です。また企画したいです!

     コメンテーターの鈴木規夫さんのご協力、熱意によって、参加者の方は満足度が大変高かったように感じました。改めて、感謝を申し上げます。


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    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-06-22(Mon) 12:31:14】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

    ◎ホリスティック患者学「患者の経験をホリスティックに活かす」報告

    ◎「ホリスティック患者学~患者の経験をホリスティックに活かす」報告(長いですが、勉強になると思います!)

     昨日、日本ホリスティック医学協会関東フォーラムで、「ホリスティック患者学」の2回目として、実際の患者さんの体験をお持ちの方による「患者の経験をホリスティックに活かす」をテーマにした講座が行われました。

     まず、重要なこととして、患者であっても「その経験がホリスティックな気づきになり、人生に活かせる」という視点です。

     一般的に「患者さんは不幸な状態」という通念に対して、病気や患者であることの意味をホリスティックにとられることで、何が見えてくるのか、を実際の2名の患者さんから学びました。

    1、膠原病と発達障害の経験から 美咲エレミ(アロマセラピスト、日本ホリスティック医学協会運営委員)

     お一人めは、何と、身体の難病である膠原病と、精神の病気である発達障害の心身両方の患者さんの体験をしているという、大変貴重な経験をされている方です。実は、日本ホリスティック医学協会の運営委員でもある仲間です。

     美咲さんは、北海道生まれで、音楽の道を志し、東京の音楽大学に進学し、音楽の仕事に従事することにする際、学校や会社のような勤務体制ではなく、レストランなどでの演奏や「ピアノ・デモンストレーター」として活動していたそうです。

     しかし、しばらくして、関節痛がひどくなり、ピアノ演奏が思うようにできなくなってしまったそうです。それでも、人生を歩み続け、やがて結婚し、妊娠したときに、大変な状態が訪れたそうです。

     妊娠中に病状が悪化し、「劇症型中毒症」になり、かかりつけの産科から、救急搬送され、その日のうちに分娩となり、第1子は早産で脳に酸素が行っていない時間帯もあったそうです。

     そして、第2子の出産後にさらに病状が悪化し、公園には行けず、代わりに児童館に子供を連れていっていたそうです。

     そんなおり、かぜから甲状腺が腫れている状況になり、大学病院へ紹介され、そこで膠原病の一つである「シェーグレン症候群」という難病であることが分かったそうです。

     難病とは「原因不明で治療法が確立されていない難知性疾患であり、国の研究対象疾患となっている病気で、日本人口の0,1%未満である」ものです。

     シェーグレン症候群で美咲さんが困ったことは、
    ・手足の末端の冷えがきつく、レイノー症状としてしびれや感覚麻痺がよくでる。冬はしもやけになる。夏でも冷房がきついと症状が出る。スマホのタッチパネルが反応しない(指が冷たいので、肘でふれないと反応しない!)。
    ・ドライマウスでクラッカーを食べると窒息しそうになる。飴は口の中でなかなか溶けない。味がずっと口内に残る。すぐ虫歯になる。
    ・起床時にドライアイのため目が開かないことがある。まばたきで角膜に傷ができることがある。風があたると目を開けていられない。
    ・寒暖差、気圧差で足に内出血がでたり、むくむ。立ち上がると血管がしめつけられるような痛みがある。
    ・猛烈なだるさに襲われるときがある。重力の強さを実感する。布団から起き上がれないときがある。

     そして、美咲さんは、難病が分かってから次のような「心境の変化があった」といいます。

    ・病名がわかった時は、今までの不調が薬を飲めば治ると思い、一瞬嬉しかった
    ・特定疾患で治らないと言われても、全然信じられなかった
    ・病気を知るほどに難病という意識が心の芯までしみこんでいって抜け出せなくなった
    ・私が潜在的にもっていた難病患者に対するネガティブなイメージに気づいて愕然とした

     そして、冷静に、病名が分かったことによる「メリット」と「デメリット」を分析されています。

    【メリット】
    ・原因不明の症状やつらさの理由がわかり安心した
    ・病名があると周囲に説明しやすく配慮を求めやすい

    【デメリット】
    ・病状が不安定で予測がつかない時は気弱になり「病人だから大事を取る」が単なる甘えなのか、本当に無理なのかの線引きに悩む。
    ・言葉の囚われで思考が狭まる、消極的になる‥難病という言葉に自分がどのように意味づけするかはQOLに影響する
    ・周囲から腫れ物扱い、避けられたりすることもあるのでカミングアウトするかどうか悩む

     それでも、結果的に良かった点として、
    ・「人が死を考えるのはつらい時ではない、光がみえない時だ」という言葉で気づいた、どんなにつらい時でも「必ず良くなる方法はあるはずだ」と思っていた自分の楽観性としぶとさを発見
    ・死がこわくないどころか、死後の世界に興味がわき視野を広げることができた。人生観が変わった
    ・健康情報を仕入れるのに没頭、いっときでもつらさを忘れることができた。(ホリスティック医学に出合えた、アロマのプロになれた)
    ・性格が優しくなったらしい
    を挙げていらっしゃいました。

     そして、いろいろな治療法を試してみて、医学にはっきりとした治療法がない(だから、難病といういうわけです)ことを認識し、「医学で治らないから自分で養生するしかない」という考えにいたったそうです。

     そして、具体的には、
    ・体調が良くなることを足し、自然治癒を妨げるものを引くという考え方をする
    ・生活リズムの改善が基本(朝日を浴びる、必ず湯船につかる、睡眠の質を高める工夫、アロマテラピー)
    ・幕内秀夫先生にならい朝食を和食にかえてみた
    ・代替療法、スピリチュアルなどに凝りすぎない、依存しない、歪んだ解釈で自分を正当化しない
    ・優先順位をつけ、できないことに執着せず柔軟に考える
    ・物事の二面性を見るようにし、自分のためになる解釈を「選択」するようにしてから生きやすくなった
    などを実践したそうです。

     そんなおり、やがてもう一つの病態に対面することになるのです。美咲さんは、小学校のころから学校でも他の児童とは違う感じ方をしていたそうで、どうも生きずらいと思っていたそうです。

     そして、福祉の仕事に興味を覚えて、福祉の支援の業務につくための研修をしているときに、「事務作業ができない」ことに遭遇してショックを受けることになります、、。

     特に、音が複合的にある場所で困難が多いことから、調べてみたところ、発達障害に似ていると思い、ちゃんと診断を受け、今度は「発達障害」との診断がついたそうです。

     美咲さんが、発達障害で困っていることは、
    ・空気が感覚的読めないので、他者評価や過去の経験など知力で判断し行動するため疲れる。(コミュニケーション障害)
    ・愛想は良く、1対1で話をするのは得意だが(多弁)、集団の中で話を聞くのは苦手(興味の偏り)
    ・物事に没頭すると時間の感覚が無くなる(過集中)
    ・事務作業はミスが多く、極度に神経を使う(注意欠如)
    ・耳で聞いた情報を頭の中で整理するのが苦手で、質問するタイミングを計るのにも神経を使う(聴覚過敏)
    ・段取りが悪く時間がかかる(短期記憶や計画が苦手)
    ・短期間で目標や行動が変わる(衝動性、多動性)
    など、多彩です。

     そして、発達障害が分かってからの「心境の変化」として、
    ・幼いころから感じていた人とは違う感性、違和感、生きづらさの理由がわかりホッとした。自分はワガママでも変人でもなく脳の働きが普通の人と違うだけ
    ・わかっていても自己抑制がきかないので社会に適応するのは私にとってはかなり困難。自己理解と対策法を考えることに多大な努力を要する
    ・考えれば考えるほど自分がよくわからず混乱する。どう生きていったら良いのか先が見えない不安

     このように、心身両方の難しい病状を抱えるにいたり、美咲さんは自分で、「元気レシピ」をつくったそうです。

    ○好きなことばで癒される、元気がでる
    ・「正しさ」は「優しさ」にはかなわない アズ直子
    ・健康と病気の堺目、それを決めている因子は自分自身の生き方そのもの 安保徹
    ・「できない理由」から考えるのか「できる理由」から考えるのか。突き抜けられるかどうかは能力の差ではなく、意識の差
    ・理解してくれる人が100人に10人でもいい。1000人会えば100人だ。 堀江貴文著「ゼロ」より
    ・「どうして」を「どうしたら」に書き換える。トラウマは無い アドラー心理学

    ○つらくなった時の脱出法。自家発電できる人になる
    ・早朝に神社までウォーキングする
    ・Kindleストアやニュースから面白い情報を得る
    ・図書館に行って読書に没頭
    ・好きなアロマ、音楽、お茶、本とともにお気に入りの椅子でひとりの時間をもつ
    ・アロマバスソルトで入浴し汗を出す。後頭部に温湿布をして大好きな香りに包まれて寝る。
    ・ハッカソンやセミナーに参加して刺激を得る、面白い人に出会う
    ・ソウルフードを食べる
     
     そして、「ホリスティックに生きるのは、本人のしごと」として、以下のようにおっしゃっています。

    ・人生は他者との関係性の中でアイデンティティーを確認したり高めてゆく旅
    ・難病や障害があっても就労を希望するすべての方が自分らしい働き方ができる社会になるにはまだ時間がかかりそう。お上や社会のせいにせず、自分にできる事を考える。社会と分断されているのではない、自分も構成している一部分であるというホリスティック観をもつ
    ・安心できる人、理解してくれる環境、方法、場所をさがし求めるのは「逃げ」ではない
    ・治ることに固執せず、自分で症状改善の工夫をしたり、周囲の人に必要な配慮を求める「セルフアドボカシー」を身につける
    ・自家発電できるようになろう
    ・言葉の幻想にとらわれない。負の思いこみが病を生む。スティグマを呼び込む引き金にもなる

     そして、「患者の経験をホリスティックに活かす生き方」として、短期、中期、長期の目標を掲げているのだそうです。
    【短期目標】
     アロマテラピーの知識を活かして障害者福祉施設での講師業、作業療法プログラムの企画などがしたい(障害者就労支援施設での健康講座、発達障害児のデイケアでの総合的学習プログラム「身近な香りと科学」など)
    【中期目標】
     医療政策、医療ガバナンスについて患者、医療従事者、行政立案者、メディア関係者などと意見交換する場を企画したい
    ホリスティックピープルを増やす活動をしたい
    【長期目標】
     ホリスティック医学のジェネラリストとして、キュレーションやイベント企画、「ハブとなる人」になる予定

     ホリスティックな視点に目覚めた美咲さんの今後の歩みを支援させていただきながら、学ばせていただきたいと、仲間として改めて思った次第です。

    2、患者体験から立ち上げた難病支援ネットワーク 浅川透(難病慢性疾患乗り越えネット主宰、難病初心者の教科書著者)

     次に、浅川さんからは、主に、難病の支援の視点から、中々知られていない支援の制度についても含めた「患者支援」の取り組みについてお話いただきました。

     浅川さんは、意欲に燃えて社会人になり、関西へ異動して激務を続けていた2年目のある朝に、その症状が始まったそうです。

     「ある朝、目が覚めると、全ての景色が変わっていました」~目を開けると「物が二重に見えるようになった」という劇的な変化が起こったそうです。

     眼科で、片方の眼球が動いていないことが分かり、大学病医院へ紹介され、詳しい検査の結果「多発性硬化症」という難病だと宣告を受けました。

     そして、ストレスや過労がいけないとのことで、留意する生活を続けながら、健康を取り戻したいという想いからマラソンに挑戦するも、思うようなトレーニングができず、悩みの状態のまま2年が経過したそうです。

     難病宣告されて2年ほどたったころ、ある出会いが、、。コーチングの本に出会い、「成功は心が8割決める」、、。トレーニングはできないが、「心ならできるのではないか?」と思い、受講するにいたったそうです。

     その講座で、トレーナーから「マラソンの目的を自分のためにではなく、走れるようになったら、周りの人に勇気を与えられるんじゃない」という声掛けに気づきがあったそうです。

     「今までは、自分のことのみだった、、」、そこが変わったことから、今までできなかったトレーニングができるようになっていったそうです。

     そして、下半身に痺れが発生して入院しても、動じない心にもなり、入院中患者さんの悩みを聴くことはできると考えて実践し、周りの患者さんのために行動することができたと実感したそうです。

     そして、「難病患者になってよかった面もある」と思えるようになったそうです。

     そのときの種々の患者さんの悩み、相談は、
    ・難病と言われて「難病疑いを宣告されて、今までの活動ができなくなった。
     毎日家にいて、気分も沈んでしまう。
    ・難病宣告されて、人と会うにもどうしたらいいのか。悩んでしまいます。
     結局、前日にキャンセルしてしまう。 だんだんと人にも誘われなくなりました。
    ・足が動かなくなって外で活動できない~それでも、杖を使うのはカッコ悪いのでいやだ
    ・難病だという事が分かったら、ウツだという事が分かったら、周りの人になんて言われるか分からない。
     ダメなやつだと思われるんじゃないか?
    など、多面的だったそうです。

     そして、「難病慢性疾患乗り越えネット」を開設するに至ったのだそうです。その活動の趣旨は、以下のとおりです。

    ・「治せない」からの脱出をコンセプトに
    「国内外で有効性が報告されている自分で試せる代替療法」
    の紹介。
    ・CM、メディアで流されているような、根拠のない情報に振り回されないように。

     全校でも珍しい、この難病支援ネットワークへの反応は、
    ・活用して試す人
    ・知識や言葉を知らない人~「代替療法」という言葉さえしらない人もいます
    ・医者しか信じない人
    ・特定の情報に振り回されている人
    ・治されたら困る人
     (治るようになったら生活できないと考えている方)
    など、やはり多岐にわたっていたそうです。

     そして、この活動から、浅川さんは、まず基本的な知識、情報の必要性を痛感して、「難病初心者の教科書」という「電子書籍」を出版します(kindleで入手できます!)。

     この本の中心は、まず、多くの難病初心者が分からずに困り、必要な情報の中心である「難病患者のための制度」について、となっているのだそうです。

     浅川さんは、「患者が解消したいこと、困っていること」は、
    ・就労のこと
    ・病気をわかってもらいたい
    ・生活の補助
    ・金銭面
    などなどで、これらは、実は、「制度で解消できる部分もある」ことを伝えたいために、本で紹介しているのだそうです。

     自分が難病になりながらも、その患者さんのための支援ネットワークを主宰している浅川さんの「ホリスティックに生きる」とは、
    ・思いこみから抜け出して、目標に向かって周りを巻き込んで行動する

     そのために、
    【患者として】
    ・今の状況を改善する方法があると信じる事。
     (希望を見つけて行動すること)
    ・「点」ではなく「面」で健康(課題)を見る
    ・目標を見据えて、改善のための相談口をきちんと見つける

     そして、
    【治療者者側にお願いしたい事】
    ・サポートがある事を伝える(具体的に)~具体的にとは、「支援の制度があること」も含めて、とのことです。

     第2回目の「ホリスティック患者学」、、とても勉強になりました。二人の勇気ある患者さんに、心から感謝したいと思います。

     そして、第3回目は、7月20日(月祝)に、「スピリチュアリティから患者学を考える」という、意味深なタイトルで行います。ぜひ、お出で下さい!
    http://www.holistic-medicine.or.jp/seminar/s_office/entry2048.php

    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-06-15(Mon) 11:19:50】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

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