NHK「死後の世界はあるのか?」レポート

    ◎NHK・Eテレ モーガン・フリーマン 時空を超えて 第2回「死後の世界はあるのか?」レポート(再放送・4月5日(日)15:00~15:45)

     先週、NHK・BSの立花隆氏の「臨死体験」シリーズの放映がありました。そして、ちょうど同じようなテーマのアメリカのディスカバリー制作の番組があることを、福田先生からの情報で知り、立花氏の視点と比較するのも面白いと思い、視聴してみました。

     立花氏の番組も興味深い点は多々ありましたが、以下の2点について、疑問や不満を感じていました。


    ①7日間、重症の脳の感染症におちいった脳外科医の「クリアな」臨死体験は、「不安定な」ある程度血流が戻ったときに生じたと考えられる、という神経学者の説明に疑問を感じました。

    ②臨死体験、体外離脱、神秘体験を研究していくと、「意識」の問題にたどりつくわけですが、この意識についての研究に、「量子論」に基づく研究が全く紹介されなかったことは不満でした。

     ところが、こちらの番組では、上記の2点がきちんと含まれていました! と、いうことは、制作側の視点や理解度の差ということになります、、。とにかく、立花氏の番組で感じた問題を解決してくれましたので、ぜひご紹介したいと思います(書くときは、長いです、、)。

    ・まず、臨死体験をした脳外科医のアレグザンダー医師(アレキサンダーという訳もあるようです)のそのときのCT写真は紹介されましたが、実際どのような経過だったか、というプロセスは紹介されなかったので、具体的にどのような体験だったのかを知りたいと思っていました。

     →何と、こちらの番組では体験した経過をすべて紹介していました。まず、体験したのは「ミミズから見た世界」という表現でした、、。つまり、ミミズのように地を這うような不快な体験が続いた、ということです。

     →このような「不快な」「悪夢的な」体験であれば、脳の血流がある程度は戻っている“不安定な”脳の働きのときに見る現象として、納得できます。

    ・そして、やがて、“光”を見て、美しい蝶になり、コア(中心)という感じの場所に行き、神聖なものを感じ、目の前にいくつもの宇宙が見え、これらは「愛」だと確信した、という体験に変わっていったのです。

     →この体験がいわゆる「神秘体験」になるわけですが、しばらく悪夢的な体験をした後に起こった、というのが事実です(ここの経緯は立花氏の番組では紹介されませんでした)。

     →ということは、最初は不安定な血流の脳で生じた悪夢体験があり、やがてとうとう臨死状態に移行し、そのときは血流の問題ではなく、セロトニンなどの幸福物質が大量に放出されたので(立花氏の番組で通常の30倍にもなるとのこと)、「神秘体験」が訪れるようになった、という解釈をすると、整合性がとれます。

    ・次に、やはり重要なのは「意識」であるという展開になりました(立花氏の展開と同じです)。

    ・ここで、登場したのが、何と意識について、量子論の立場からロジャー・ペンロース博士と一緒に研究しているアリゾナ大学のスチュアート・ハメロフ博士(ハマーロフと紹介されている本もあります)でした!

     →立花氏は、意識の研究として、1行だけ「宇宙に量子的に漂う」という紹介だけでしたが、こちらではしっかりとその内容を取り上げていました。これはもう、ルポ担当者の視点や価値観の違いですね、、。

     →ハメロフ博士は脳の「微小管(マイクロチューブル)」という細胞骨格の一つが、分子レベルの情報を保持する「量子コンピューター」であるといいます。地味な印象の「微小管」、、、意外に重要なようです!

     →そのメカニズムとして、素粒子の奇妙な性質として知られる「量子もつれ」(空間的に離れた部位にも情報が伝わる現象)が脳の微小管の構成要素の「チューブリン」で起こると説明しています。

     →そして、このような量子論に基づく働きをしているので、脳の情報は、脳の外の広大な空間、何もない空間、宇宙にも伝わるとしています。
    ここでいいう、「何もない空間」というのは、そうですね、「真空」のことで、いいかえると「フィールド(ゼロポイント・フィールド)」になります。

    ・そして、ハメロフ博士は、臨死体験について「脳の血流が遮断され、脳が働かなくなると、脳の量子情報が宇宙に広がり、いわゆる神秘体験を経験し、そのまま死亡する人もいれば、息を吹き返すと、その量子情報が脳に戻ってくるのだ」と説明していました。

     →かなり納得できる説明ではないでしょうか。そこから、「臨死体験」とは「脳が宇宙を行き来すること」とし、「魂」とは「宇宙につながる量子コンピューター」という大胆な表現をしていました、、(私は、このような表現、結構好きです)。

     →そして、ハメロフ博士は、脳や意識を量子論から説明する少数派の立場でありながら、「(物理現象ではなく)“生物”の現象に、量子論で説明できることは少なくない」、「この説は(実験などが行いにくく)証明はされていないが、否定できる結果も出ていない。そして、徐々に、裏付けるような研究結果も出てきている」と自信のある態度でした。

     →以前から、名前はたびたび聞いていたハメロフ博士を、映像で見ることができ、興奮しました。風貌は、スキンヘッドで、意志が強そうな、ファイターの印象です。

    ・そして、さらに、面白い学者が登場していました。「未知の微粒子が存在し、これが魂を生む」とする、認知学者のホフスタッター博士です。「魂」の話まで広がっていきました。

     →ホフスタッター博士によれば、動物にも魂はそれなりにあり、「知能が高い」ということは「魂が大きくなる」ということだそうです。

    ・その他、立花氏の番組でも取り上げた「統合情報理論」の二人の学者、ジュリオ・トノーニ博士とクリストス・コッホ博士も登場しました。

     →意識をつくる細胞があるのではなく、統合的な脳細胞のネットワークにより意識が生ずる、という理論は納得できるのですが、「脳が働かなくなったら、意識は消滅する」という、いわゆる「唯脳論、唯物論」の対場である点は同意できない印象を持ちました。

     以上、同じようなテーマの番組でも、かなり違うことがわかったのですが、私としては、両方の番組によって、より理解が深まったのはありがたかったです。改めて、情報は公平に取り上げてほしい!と思いました、、。

     ぜひ、4月5日(日)15:00からのNHK・Eテレの再放送をご覧になってみて下さい!


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    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-03-30(Mon) 09:24:51】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

    NHK・立花隆氏の「臨死体験」シリーズレポート

     立花隆氏の「臨死体験」についての3日連続シリーズがBS1で放映されました。影響力の強いジャーナリストですので、注目しており、まとめてみました(いつものように、書くときは長めです、、)。

    ◎1日目「死ぬとき心はどうなるのか・人類永遠の謎」

     1日目は、イントロ的な感じの内容で、あまり興味深い点はなかったのですが、いくつか印象に残ったところを記述します。

    ・臨死体験を経験した人は少なくないが、中でも最近は、研究者や専門医が臨死体験したケースが出ている、とのこと。
     →その中で、脳外科医のアレキサンダー医師が注目されているそうです。重症の脳の感染症で臨死状態に陥り、その際に多くの臨死体験者たちと同じように「上から自分の姿を見て、光のトンネルを抜けて、神々しい世界や人と会う」という、いわゆる「臨死体験」をしたそうです。

    ・約1週間、脳に血流が行かない状態に陥り、そのときのCT画像を見ると「脳が機能していない状態だった」ことが分かるとのことで、このことから「幻覚症状のような状態ではない」と自分で説明していました。
     →しかし、ここで別の神経学者が登場し、「1週間の間には、少し血流が回復したときもあり、そこでその体験は起こったと考えられる」というコメントをしたのには、ビックリしました、、。

    ・血流が少し回復しかけた「おぼろげな」脳の活動状態のときに「クリア」な臨死体験が起こる、というのは、矛盾していると感じます、、。
     →「おぼろげ」で不安定な脳の血流のときには、不安定な、言い換えれば“悪夢的な”体験内容になるはずのものが、そうではなく、安定した「神秘体験」、「恍惚体験」が生じるのですから、脳の血流・活動では説明できない現象だ、と考えるのが素直ではないでしょうか、、。

    ・まあ、テーマが「“科学”でどこまで臨死体験を説明できるか?」ですので、科学の範疇の説明しか出てこないのは仕方がないのでしょうが、、。 せめて、結論を無理やり科学で分かっている現象に押し込めるのではなく、「科学ではここまでは分かった」という感じにしていただきたいと思いつつ、2回目を待つことに、、、。

    ◎第2回「体外離脱 心・意識のありかを探して」

    ・今まで、過去からもずっと「体外離脱」の記録はあるが、最近、赤ちゃんのときに体外離脱の体験をして記憶しているケースが出たそうです。
     →現在4歳の子で、2歳のときに話し始めたそうです。

    ・体外離脱について神経学的に説明できるという学者の「体外離脱と自己像幻視の神経学的起源について」という論文があるそうです。
     →てんかんの患者さんに「角回」という部位を電気刺激すると、体外離脱の感覚が生じる、とのこと。

    ・そこで、かの有名なノベール賞学者の利根川進博士が登場
     →記憶には「リアルメモリー(本当の記憶)」と「フォースメモリー(偽りの記憶」の2つがあり、両方とも脳の同じ部位が働いているので、本当か想像かの区別ができないのだ、と説明。
     →ここは、あたかも体外離脱はフォースメモリーである、という雰囲気が出ていました、、(ちょっと行き過ぎの感じがしました)。

    ・そして、ここから、結局大事なのは「意識」だ、という方向性に。
     →「意識の科学」というキーワードになり、意識は「自我」ともいえるし、「感覚を統合する機能」ともいえ、「どうやって意識が生ずるのか」を追求する方向に。
     →体外離脱のテーマなのに、「意識」がテーマになりました。しかし、究極は「意識」の問題になるのは間違っていないですし、私自身も「意識」についてはとても興味があるので、「来た、来た、、」という感じで歓迎でした!

    ・ここで、「分離脳」という話に。
     →患者さんの中に、治療のために左右の脳をつないでいる「脳梁」という部分を切除して、左右の脳が分離されている人がいるそうです。

    ・この分離脳の人は、左眼だけで見ると右脳だけで判断するので、「見たという意識はない」そうですが、「それを象徴するイメージ」は覚えているそうです。
     →映像では、“テキサス”という文字を見せたら、カーボーイハットが浮かんできて、それはどこにあるの?と聞いたら、「テキサス」と答えていたました。なるほど、右脳のイメージですね。

    ・そして、最近、分の悪い、固いイメージに陥りがちだった「左脳」が、実は、「意識」と関係が強いとのこと。
     →左脳が働いていないと、明確に認識、意識ができないということのようです。私は、結構「左脳」も大事に思っていたので、納得です。

    ・ここで、「意識を作る細胞を探したが、見つからなかった」という学者たちの驚きの発想が紹介されました、、。
     →特別に「意識を作る細胞」があるのではないか?、と追い求めたということです、、! ある意味、すごいですよね、この発想が、、。もちろん、なかったわけです。

    ・では、「なぜ、意識が生ずるのか?」について、科学的にはつかめていないので、諸説あります、という流れに。
     →ここで、諸説として、
    「宇宙に量子として漂う」
    「幻覚にすぎない」(意識自体も幻覚にすぎない)
    という2つが、一緒に、文字で紹介されました(扱いが悪すぎます!)。

    ・特に「宇宙に量子として漂う」というのは、最近、研究が進んでいる「フィールド(ゼロ・ポイント・フィールド)」のことです。もう少し、取り上げてもいいと思うんですが、、。

    ・そして、次に最近注目されている理論として「統合情報理論」が紹介されました。クルストフ・コッホ博士とジュリオ・トノーニ博士が提唱している意識に関する理論です。
     →意識は、単独の細胞から生まれるのではなく、種々の感覚などがクモの巣のようにつながってできるものであり、統合されたときに生ずるものとしている点は、納得できるものでした(アルゴリズムのメカニズムを当てはめているようです)。

    ・そして、立花氏が魅力的に映ったのは、おそらく、意識を数式で表せるとしている点もあるのだろうと感じました。
     →難しい数式も出ていましたが、要するに、「意識の量」は「神経細胞の数」と「(神経細胞の)つながりの複雑さ」の掛け合わせで決まる、という意味合いでした。
     →このため、人間だけでなく、動物にも意識はそれなりに生ずるし、器械にもある程度意識を生じさせることはできる、としていました。

    ・ここのところは、「量子脳理論」を提唱しているロジャー・ペンローズという、イギリスの数理物理学者(こんな専門領域があるんですね)が「細胞の微小管の数の多さが意識の複雑さ、高度さになる」という説を提唱しており、線虫からようやく意識が生ずる計算になる、としていたのを思い出しました。

     2日目は、途中までは、フォースメモリーの話になり、「おいおい」という感じでしたが、後半の「意識」に迫っていく流れは、立花氏の視点の良さが出ているように感じました。そして、第3回に、、。

    ◎第3回「神秘体験と死を越えて 意識と夢のボーダーランド」

     第3回は、主なテーマが臨死体験でよく報告されている、“光に導かれ、美しい風景や高貴な存在に出会う”という「神秘体験」。

    ・まず、いきなり、最近「神秘体験」を作り出せる「神のヘルメット」を開発した神経学者・ローレンシャン大学のマイケル・パーシンガー博士が登場

    ・そして、次にネズミの脳で、臨死状態のときにおこる現象を研究しているミシガン大学のジル・ボルジギン博士が登場。
     →ネズミを心停止させると、脳の奥深くの化学物質(セロトニンなど)が、通常の30倍くらいに急激に増加する、とのこと。
     →これにより、幻覚が生ずる状況になることが想像できるとのこと。

    ・そして、先ほどの「神のヘルメット」の装置をつけると、コイルで弱い磁場を発生させるため、電流が脳に発生し、特に「側頭葉」が刺激されるようになるそうです。
     →そうすると、恍惚とした神秘体験が起こる人がいる、とのこと。80%の人が何らかの体験を感じるとのこと。ちなみに、映像では、少女が体験して、「自分が体から抜け出て、上から見ていた」というまさに「体外離脱」体験と、「周りに何かがいるような感じがした」という体験を述べていました。

    ・しかし、その感覚は神秘体験のような至福な感覚ではなく、「恐い感じ」と言っていましたので、神秘体験とは異なるといえます。立花氏も体験していましたが、何も感じなかったとのこと。

    ・ここから、立花氏は「神秘体験は夢に近い現象なのでは?」と考えたとのことで、神秘体験と夢の相似性を研究している学者のところに、、。
     →「明晰夢」を研究しているスティーブン・ラバージ博士によると、明晰夢というのは、通常の夢とは異なり、「自覚しながら見る夢」なので、「自分で夢の内容を変えられる」ものであり、はっきりとした意識の中で夢を見ている状態だそうです。博士は、長年の訓練でできるようになったとのことでした。

    ・これを科学的に研究しているのが、マックス・プランク研究所で、明晰夢を見ているときの脳は、「前頭葉」ともう一つ「けつ前部」という部位が活性化していて、かつ多くの部分がつながって活動している特殊な状態だそうです。
     
    ・そして、立花氏は「なぜ、死の間際に神秘体験が生ずるのか?」という問いを持ちます

    ・その一つとして、神秘体験のときに感じることの多い「偉大な存在を感じる」という現象は、脳科学ではどいういうことが考えられるか?という問いをケンタッキー大学の神経学者のケビン・ネルソン博士に投げかけます。
     →脳科学的には「辺縁系」が関係しているとのこと。そして、夢を見やすい人のほうが神秘体験をしやすい、とのこと(私は、あまり夢を見ませんが、日中から、しらふでもほろ酔い気分です)。

    ・ここで、神秘体験の「仮説」として、以下のようになると紹介。

     「死の間際に、脳の辺縁系が活性化し、きわめて浅い眠りの状態になり、セロトニンなどの幸福感に関係する化学物質が大量に分泌され、側頭葉という自己認識と言語に関係する部位も活性化するために起こる」
     そして、これは「本能に近い現象」である。

    ・死に行く人の多くは、微笑みを浮かべて亡くなっていき、「いい死に顔でしたね」と言います。そうすると、周りの家族も安心できるという状況がよく見られます。

    ・脳の中では、おそらくこのような状態が起こっているのでしょう。そして、ここで、立花氏は、予想外の素晴らしい問いを掲げていました。

     →「なぜ、神秘体験があるのか」

    ・そして、この問いには、ケビン博士も「科学者が答える問題ではない」とし、「この答えは個人の信念によるもの」と分けていたのはホッとしました(この博士の奥様が末期がんの状態で、そのケアをする博士の態度は科学者ではなく、人間の姿でした)。

    ・最後には、体外離脱体験の研究で有名なレイモンド・ムーディ博士に再会しに行く、という場面でした。
     →こういう研究をしていても、以前のムーディ博士は「死後の世界」は否定していたそうですが、自殺を図ったときに臨死体験をしたそうで、それ以来、逆の考え方に変わった、というこれまた驚きの情報でした。

    →もう少し、量子論の世界にも入ってもらえたら、、などのような感想もないではないですが、最後に、立花氏の
    「死ぬことはそれほど怖いことではないと思うようになった」
    という言葉だけでも、NHKという影響力の強いメディアで扱われて良かったと感じました。
     
     ときには、このような思索もいいもんですね。


    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-03-27(Fri) 11:53:51】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

    「神経免疫学」とうつ、病気

    あまり西洋医学や薬については好きということではないのですが、ある程度の勉強は必要だと考えており、時々、製薬会社さんが行う勉強会にも出ています(書くときは長めです、、、)。

     製薬会社さんの勉強会には、薬の宣伝がある程度入っているタイプの場合(まあ、ベタなタイプです)と、あまり薬にこだわらずにテーマや内容を決めている場合の両方があります。

     後者でいえば、最近、アメリカの精神医学会の疾病分類が改定されたのですが、その「最新状況、進捗状況について」などというテーマのときもあり、そのときは面白いそうだったので、聴講しに行きました。


     講師が、自分の大学の教授だったのも若干懐かしかったのですが、薬とは関係ないテーマで勉強になりました。講師も「ガチガチの西洋医」というタイプから、「人間味のある臨床医」という方まで、いろいろです。

     日程で行けない場合も少なくないのですが、講師によって「行こう!」と思える場合も、時々あるものです。その基準の一つに、教授ではなく「講師」の肩書の方が講師になっている場合は、面白い場合があります。

     「講師」くらいですと、まだ若さも残っており、結構自由な発想があったり、あまりまだ権威がついていない段階なので、発言も自由度がある感じなのです。

     そんな選択理由から、この前、製薬会社さんの勉強会に行ってきました。場所は東京・港区の「八芳園」でした。椿山荘と並ぶ、庭のきれいな自然のある施設というのは嬉しいのですが、会場代は結構かかるのだろうと思いながら部屋に入りました。

    ◎テーマ「神経免疫学をうつ病の治療にいかす」

     講師は、東京女子医大の精神科の高橋一志講師ということで、テーマがまずは「○○薬の効果」のようなガチガチなものではなく「神経免疫学」という広く、学際的なものであり、スピーカーが教授ではなく「講師」ということで、選択基準を満たしていました! 

    ・まず、紹介されたのが「病気にうつが合併すると“健康度”が低下する」という研究でした。
     特に「心筋梗塞」では、うつを合併することも少なくないのですが(心筋梗塞のような重い病気を抱えていると、憂うつになりがちなことは想像できますね)、うつを合併した心筋梗塞のグループは実際に「5年生存率」が下がるというデータがあるそうです。

    ・ところが、うつを合併した心筋梗塞の患者さんが抗うつ薬(SSRI)を服用すると、心筋梗塞の再発率が47%低下し、死亡率も41%低下した、というデータが出ているそうです(抗うつ薬で、うつが減るのではなく、心筋梗塞が減る!)。

    ・次に「最近、免疫に関係する病気が増加傾向にある」という説明で、
    ①自己免疫の患者さんにうつが高率に合併する
    ②大人のアレルギーが増加している(以前は、アレルギーというと、子供の病気で、大人にあるにつれて軽快するというイメージだった)

    ・次に、「治療抵抗性のうつ(抗うつ薬が効かないタイプの方)」の人は、血液中のサイトカイン(免疫伝達物質)が高く、このため免疫活動が活発になっている状態であり、結果的に「炎症が多く発生している状態」になっているというデータの説明に。

    ・このことから、「治療抵抗性のうつの患者に消炎剤を投与したら改善するのでは?」という逆の発想でトライしたところ、実際にうつの状態が軽快傾向になった、というデータもあるそうです。
     →そうなりますと、「うつには消炎剤」という意味合いが出てきます!

    ・これに関する知見として、
    「免疫活動を抑えると、93%に気分障害が発生する」というデータがあるそうです(これはビックリ!です。93%ですよ、、)。
     
    ・さらに興味深いのは、「気分障害」には「そう」と「うつ」の両方があるわけですが、93%のうち、そうが64%、うつが14%、混在が14%という内訳だったそうです。

    ・ということは、免疫を“抑える”と“そう”傾向になるわけですので、もしかして、もしかして、、、免疫を“上げる”と“うつ”傾向になるというデータがやはりあるそうです。

    ・ということから、「うつはアレルギー」というスライドが次に出現! さすがに講師で、自由度が高いです! 一理ありますね、、

    ・そして、ストレスのときの反応により人間は「2つのタイプ」に分かれるという説明に。
    ①ノルアドレナリン型人間~ストレスがかかると、交感神経系のストレス対応ルートが中心に反応するタイプ。「イライラ」しやすく、病気としては高血圧や心臓病(狭心症や心筋梗塞)を起こしやすい
    ②コルチゾール型人間~ストレスがかかると、副腎皮質のストレス対応ルートが中心に反応するタイプ。「我慢、忍耐」しやすく、病気としては糖尿病や脂質異常症などを起こしやすい

    ・上記の分類は重要ですね。実は生活習慣病は、ストレスとかなり関係するわけですが、上記のようにタイプ別で起こってくる生活習慣病が違ってくるわけですね。

    ・そして、最後に、かの有名な安保理論に関する知見です。
    「白血球の表面には、免疫伝達物質(サイトカイン)だけでなく、神経伝達物質などの受容体もある」ことが分かっている、という紹介。

    ・具体的には、白血球は、ノルアドレナリン受容体、グルココルチコイド(コルチゾールなど)受容体、アセチルコリン受容体などを表面に持っていることが分かっています。

    ・そして、
    ○交感神経優位の人~アドレナリンやノルアドレナリンが多く分泌され、ノルアドレナリンの受容体が多い顆粒球(好中球など)が増える
    ○副交感神経優位の人~アセチルコリンが多く分泌され、アセチルコリンの受容体が多いリンパ球が増える(いわゆる免疫が上がる)
    という安保理論になっていたわけですね。

    ・免疫と心の関係のまとめとして、
    「免疫伝達物質のサイトカインのバランスが重要」
    ということでした。

    ・言い換えますと、
    ○「疲れた感覚や落ち込み感(うつ傾向)」は、「ゆっくりしなさい」という“癒し”ともいえる
    ○「ソワソワ感や不眠(不安、神経症傾向)」は、“警戒”ともいえる
    ということで、どちらも悪いとかいいということではなく、「この関係性を理解して、生活、人生のステージやシーンをどう生きていくか」ということになるのでしょう、、

    ・そして、この日は、もう一席講演がありました。
    やはり、精神科の講師の方がスピーカーで(しかも、お二人は何と同じ東北地方の大学の同級生で、今、お互いに東京の大学の精神科の講師だとのこと)、やはり、いろいろな薬について、率直に自分の疑問、見解を紹介して、かつその裏付けの研究もされていて、製薬会社さんや権威のある研究にこびない姿勢が好感が持てました(ちょっと有吉君のようなキレ感がありました、、)。

    ・そして、勉強会の終了後には、情報交換会として、会場で料理が出るのですが、私は、いつも勉強だけにしています(自分のポリシーなので)。

     以上、勉強会レポート報告でした、、


    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-03-20(Fri) 09:29:33】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

    「ホリスティック患者学」講座のご案内

    ◎「患者学」講座のご案内

    http://www.holistic-medicine.or.jp/seminar/s_office/entry1673.php
     「“患者”中心の医療」とよくいわれますが、それはどういう意味なのでしょうか。
     「中心」になるということは、それに伴う“意識”や“自覚”、そしてそのための“学び”がある程度必要となります。
     日本ホリスティック医学協会・関東フォーラム委員会では、今年のセルフケア講座のメインテーマを「患者学」として、3回の連続講座を行います。
     第1回目は「患者学のすすめ」を提唱している日本ホリスティック医学協会事務局長の岸原千雅子氏と、「アントロポゾフィー医学(シュタイナー医学)」の立場から患者学を考えている神之木クリニック院長の山本忍氏から学びます。

    ■日 時:2015年4月5日(日)13:30~16:45
    ■場 所:ISFnetサポートトレーニングセンター
          (港区赤坂7-1-16 オーク赤坂ビル2階)
          ※銀座線・半蔵門線青山一丁目駅郵便局方面出口から徒歩7分、青山通り草月会館となり
    ■参加費:  会員2,500円   一般3,500円
    ■申し込み手順
    1.必要事項(1氏名、2住所、3電話、4E-mail、5会員か一般かの種別)を記入の上、ho-kanto@tg.rim.or.jpまで(締め切り3/27
    (金))。または、FAXでお申し込み下さい(03-5572-8219)。
    2.申し込み受理のお知らせが到着後1週間以内に参加費をお振込み下さい(1週間以内に連絡がない場合はお問い合わせ下さい)。
    三菱東京UFJ銀行 西新宿支店(普通)0057567
      特定非営利活動法人日本ホリスティック医学協会
    3.お振込み後、受付完了となります。お振込後の参加費はご返却できませんので代理受講でご対応をお願い致します。

    ◎今後の予告◎
    <第2回:患者支援ネットワークとは>6/14(日)13:30~16:45
    <第3回:スピリチュアリティからの患者学>7/20(祝)13:30~16:45



    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-03-16(Mon) 09:41:35】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

    ロルフィング体験感

    「ロルフィング体験感」

     念願の「ロルフィング」というボディワークを体験させていただきました。私は、あまり運動をするほうではなく(“ジム”での“事務”的なエクササイズは好きではなく、森林散策くらいです)、ボディワークについても、健康管理としてクリニックに来てくれている整体師の方に定期的にケアしてもらってはいますが、それ以上はあまり行っていませんでした。

     しかし、心療内科のベースの医学として、心身医学がありますが、そこでは、「心→体」への影響と、「体→心」への影響の両方があることを一応学びます。中心は、いわゆる心理療法といわれる「心→体」のものです。

     ところが、たとえば、トラウマなどの症状は、心理療法では十分効果が出ないことが分かってきており、悩んだ心ある心理療法士の方は「トラウマ解放エクササイズ」などの「体→心」の方向性のアプローチに行きついているという現状も起こってきています。

     そういう実際の例もありますが、私個人がなぜ「体→心」の方向性、そしてロルフィングに関心をもったかといいますと、

    ○まずは、「体→心」の方向性を研究する「ソマティック心理学(身体心理学)」という領域があることを知ったからです。久保隆司さんに、ホリスティック医学協会のスピエネットで講演していただき、『ソマティック心理学』(春秋社)という素晴らしい本を知りました。今では、「日本ソマティック心理学協会」という団体が久保さんが会長になり、昨年発足しています。

    ○もう一つは、“エネルギー医学”という興味深いテーマの中で、実際に“エネルギー”が体の中を伝わるメカニズムはどこまで分かっているのだろうという興味があったのですが、やはりスピエネットのエネルギー医学・情報医療に関する『ザ・リヴィング・マトリックス』というDVDの解説講座で『エネルギー医学の原理 その科学的根拠』(ジェームズL・オシュマン、エンタプライズ刊)という本を担当したことです。

     ジェームズL・オシュマンの『エネルギー医学の原理』には、詳しく原理が説明されており、その中でロルフィングが取り上げられています。創始者のアイダ・ロルフは生化学者だったそうですが(ずっと間違えて理学療法士だと思っていました、、)、近親者の病気から治療、臨床に関心をもち、ボディワークに行き着いたのです。

     このロルフは生化学者ですから、通常のボディワーカーと考える視点が違うわけでして、例えば、化学で聞いたことのあるゾル(液体的状態)とゲル(固体的状態)という視点を体にあてはめています。

     そして、体の中で重要な構造として、「結合組織」、特に「筋膜」に行きつくのです。結合組織は今でこそ、コラーゲンだ、エラスチンだと、美容的に大注目ですが、それまでは、下手をすると、単なる体を支える「支持組織」という程度のものでした。

     しかし、ロルフは、「凝り固まった体は固いゲル的な状態」であり、これでは体のエネルギーの経路になっている結合組織がゲル的になるため、ここを伝わる情報/エネルギーがうまく伝わらなくなるので、ボディケアでほぐして「ゾル的にする」ことが重要という発想を持っていた、とオシュマンは紹介しています!

     私は、この記述に感銘を受けたわけです。そして、ここでいう「情報/エネルギー」というのは、通常の神経やホルモンなどの物質によるものではなく、もう一つの情報伝達経路である、結合組織からなる「生体マトリックス」のことであり、このルートは量子物理学に基づく「超高速情報伝達経路」ということも、とても興味深いわけです(今、ほぼこれにはまっており、量子物理学を調べています。面白いです!)

     そして、ぜひ自分でも、間違いなく、やや固いこの体をほぐしてみて、どのように変わるのかを体験してみたいと思い始めていました。一つ問題があったのです、、。

     この方法は、筋膜のリリースをするので「痛い」のです! 「気が弱い」私は(誤解が多いですが、、)、それで躊躇していたのですが、知り合いだったボディワーカーの金貞子さんが何とロルフィングをやっていらっしゃることがわかり、かつ、「ビビリ」の性格だということで(そうは見えなかったんですが、、)、ビビリの方なら、そこそこの痛さでやっていただけるだろうと思い、お願いした、という経緯です。

     そして、昨日、1回目を体験しました。施術中、やはり自分が固いと思っていた腰と大腿外側は、結構痛かったです。が、緩んだのが分かり、今日の朝、通勤中にいつもは階段の上り下りで、足のツッパリ感があるのですが、今朝はそれがなく、スムーズに足が動きました、、。

     ただ、体はまだ新しい状態に慣れていないので、今までの感じで足を運ぼうとするようで、足が動きすぎてバランスを崩したことがありました。面白いもんです、、。もう少しすれば、体(実は「脳」なんでしょうが)が、新しい体の状況に合わせて指令を出してくれるようになるだろうと思います。

     そして、体が固い自覚はあっても、とくに困った状態はなかったのですが、1か所だけあったのを思い出しました。左手の甲と掌がときどき、固いだけではなく、痛いことがあったのですが、施術で左手をほぐしているときに結構痛くて、金さんから「固いですね。ずっと何かつかんでいたんですかね」と聞かれました。

     それも、今朝はツッパリ感がなくなっています。現時点では、このような感じですが、ちょっとじっくり体感しながら追ってみたいと思っています。10回の標準を体験してみたいと思っています。

     ロルフィングは、単にボディワークを超えて、「生体マトリックス」の中心である、結合組織、筋膜にアプローチする技法という観点で、皆様にも関心をもっていただけるといいと思っています。

     しかし、生体マトリックスという超高速情報伝達組織は、結合組織や筋膜だけではありませんので、ロルフィング以外の「ソフトなアプローチ」や、ボディワークではない方法によるアプローチももちろんあるわけです。ただ、私は体、ボディワークを敬遠がちな人間だったので、バランスとして取り組んでみたいと思っているわけです!


    Dr.降矢のホリスティックブログ | 【2015-03-13(Fri) 18:31:52】 | Trackback(-) | Comments(-) | [編集]

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